20回小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)とは?

小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)は、小規模事業者が販路開拓や業務効率化に取り組む際に必要となる費用の一部を国が補助する制度です。
物価高騰やインボイス制度、賃上げなど事業環境の変化へ対応しながら、持続的な経営を目指す小規模事業者を支援することを目的としています。
単なる設備購入を支援する制度ではなく、自ら経営計画を作成し、その計画に基づいて新規顧客の獲得や売上向上につながる取り組みを行うことが条件となります。
第20回公募では通常枠に加え、「インボイス特例」と「賃金引上げ特例」が用意されており、条件を満たすことで補助上限額が最大250万円まで拡大されます。
「お店や会社の売上アップのためにホームページを作る・チラシを配る・設備を導入するなどの費用を国が補助してくれる制度」です。
新しいお客様を増やす取り組みや業務を効率化する設備導入などに活用できます。
各種条件

補助金を申請するためには、小規模事業者であることや、自社で経営計画を作成し、その計画に基づいて販路開拓を行うことが必要です。
また、商工会または商工会議所の支援を受けながら申請を進めることが条件となっています。
「小さな会社や個人事業主が、お客様を増やすための計画を作り、その内容について商工会などの確認を受ければ申請できる補助金」です。
対象業種
| 対象業種 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|
| 商業・小売業・卸売業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業 | 20人以下 |
| 建設業 | 20人以下 |
| 運輸業 | 20人以下 |
| その他の業種 | 20人以下 |
対象となるのは、日本国内に所在する小規模事業者です。
法人だけでなく、個人事業主や一定条件を満たしたNPO法人も対象となります。
アルバイトや役員などは従業員数に含まれない場合があります。
申請条件
申請するためには、以下の条件を満たす必要があります。
| 項目 | 内容 |
| 所在地 | 日本国内に事業所があること |
| 事業規模 | 小規模事業者であること |
| 経営計画 | 自社で経営計画を策定していること |
| 補助事業 | 販路開拓または業務効率化を目的とすること |
| 支援機関 | 商工会または商工会議所の支援を受けること |
| 事業期間 | 交付決定後から事業実施期限内に完了すること |
| GビズID | GビズIDプライムを取得していること |
GビズIDとは
電子申請では必須となるため、事前取得が必要です。
補助金額
| 区分 | 補助上限額 | 対象となる事業者 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 50万円 | すべての対象事業者 |
| インボイス特例 | 100万円(50万円+50万円加算) | インボイス特例の要件を満たす事業者 |
| 賃金引上げ特例 | 200万円(50万円+150万円加算) | 賃金引上げ特例の要件を満たす事業者 |
| インボイス特例+賃金引上げ特例 | 250万円(50万円+200万円加算) | 両方の特例要件を満たす事業者 |
補助率
| 区分 | 補助率 |
| 通常枠 | 2/3 |
| 賃金引上げ特例(赤字事業者) | 3/4 |
通常枠の場合、補助率は3分の2です。例えば75万円の対象経費があった場合、50万円が補助されます。
賃金引上げ特例を利用する事業者のうち、赤字事業者は補助率が4分の3まで引き上げられます。例えば200万円の対象経費があった場合、150万円が補助されます。
対象となる経費
| 経費区分 | 内容 |
| 機械装置等費 | 販路開拓に必要な設備・機械の購入 |
| 広報費 | チラシ・パンフレット・看板・新聞広告・SNS広告など |
| ウェブサイト関連費 | ホームページ制作・ECサイト制作・動画制作など |
| 展示会等出展費 | 展示会・商談会・オンライン展示会への出展 |
| 旅費 | 販路開拓のための出張費・交通費・宿泊費 |
| 新商品開発費 | 試作品・パッケージ開発・デザイン費 |
| 借料 | 機械設備や会場などのレンタル費用 |
| 委託・外注費 | 店舗改装・デザイン・専門業者への委託費 |
▶︎主な対象外経費
パソコンやタブレット、スマートフォン、自動車、人件費、通信費、消耗品、既存設備の単なる買い替えなどは原則対象外です。
また、補助事業と関係のない通常業務の費用も補助対象にはなりません。
申請開始・期限
| 内容 | 日程 |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日 |
| 事業支援計画書(様式4)発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 第20回申請受付締切 | 2026年12月15日 17:00 |
| 採択発表予定 | 2027年3月頃 |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日 |
申請は電子申請のみとなり、郵送での申請は受け付けられません。
必要書類

小規模事業者持続化補助金(第20回)を申請する際は、法人・個人事業主で提出書類が異なります。
また、インボイス特例や賃金引上げ特例などを利用する場合は、通常の申請書類に加えて追加書類の提出が必要になります。
各種必要な書類
各種必要書類
▶︎法人用必要書類一覧
| 書類名 | 概要 |
| 持続化補助金事業に係る申請書(様式1) | 補助金の申請書。電子申請システムへ入力します。 |
| 経営計画兼補助事業計画①(様式2) | 事業の現状や課題、販路開拓計画を記載する書類です。 |
| 補助事業計画②(様式3) | 補助事業の具体的な内容やスケジュールを記載します。 |
| 補助金交付申請書(様式5) | 補助金交付を申請するための書類です。 |
| 宣誓・同意書(様式6) | 補助金制度を遵守することを誓約する書類です。 |
| 事業支援計画書(様式4) | 商工会または商工会議所が発行する支援書類です。 |
| 貸借対照表(直近1期分) | 会社の財務状況を確認するための決算書です。 |
| 損益計算書(直近1期分) | 売上や利益を確認するための決算書です。 |
| 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書 | 決算期を一度も迎えていない法人のみ提出します。申請日から3か月以内に発行された原本が必要です。 |
↪︎決算をまだ迎えていない法人
| 書類名 | 概要 |
| 売上台帳 | 開業後の売上実績を確認するための書類です。 |
▶︎個人事業主用必要書類一覧
| 書類名 | 概要 |
| 持続化補助金事業に係る申請書(様式1) | 電子申請システムへ入力します。 |
| 経営計画兼補助事業計画①(様式2) | 販路開拓や事業計画を記載します。 |
| 補助事業計画②(様式3) | 補助事業の詳細を記載します。 |
| 補助金交付申請書(様式5) | 補助金交付を申請する書類です。 |
| 宣誓・同意書(様式6) | 制度を遵守することを誓約する書類です。 |
| 事業支援計画書(様式4) | 商工会・商工会議所が発行します。 |
| 確定申告書 第一表・第二表 | 直近の確定申告書です。 |
| 収支内訳書または所得税青色申告決算書 | 事業内容や収支を確認するための書類です。 |
↪︎開業したばかりで決算前の場合
| 書類名 | 概要 |
| 開業届 | 税務署へ提出した開業届です。 |
| 売上台帳 | 開業後の売上が確認できる書類です。 |
特例を利用する場合の追加書類
▶︎インボイス特例
| 書類名 | 概要 |
| インボイス特例の申請に係る宣誓・同意書(様式9) | 電子申請システムでチェックします。 |
| 適格請求書発行事業者登録通知書 | インボイス登録済みであることを証明する書類です。 |
| e-Tax受信通知 | 登録申請中の場合に提出します。 |
▶︎賃金引上げ特例
| 書類名 | 概要 |
| 賃金引上げ特例・賃金引上げ加点に係る誓約・同意書(様式7) | 電子申請システムで提出します。 |
| 賃金台帳 | 採択後・実績報告時に提出します。 |
| 雇用契約書または労働条件通知書 | 従業員の勤務条件を確認する書類です。 |
▶︎赤字事業者の場合
| 書類名 | 概要 |
| 法人税申告書(別表一・別表四) | 法人の場合に提出します。 |
| 所得税確定申告書第一表 | 個人事業主の場合に提出します。 |
条件を満たすと補助上限額が150万円加算され、赤字事業者は補助率も3/4へ引き上げられます。
必要書類を準備する際の注意点
申請書類に不備があると審査対象外になる場合があります。
また、法人・個人事業主ともに、マイナンバーが記載されている書類は番号部分を黒塗りして提出する必要があります。
さらに、登記事項証明書は申請日から3か月以内に発行されたものを提出してください。
活用事例

小規模事業者持続化補助金は、業種を問わず幅広い販路開拓や業務効率化に活用されています。
ここでは、これまでの採択事例をもとに、具体的な活用例をご紹介します。
事例① 飲食店(通常枠)

地域密着型のカフェが新規顧客を獲得するため、
テイクアウト販売を強化しました。
導入内容:テイクアウト専用メニューの開発、チラシ制作、SNS広告の配信、店舗前看板の設置を実施。
事業費総額:約75万円
補助額:約50万円
効果:近隣住民への認知度が向上し、テイクアウト利用者が増加。SNSからの来店予約も増え、売上アップにつながりました。
事例②製造業(インボイス特例)

自社製品の販路を全国へ広げるため、EC販売を開始しました。
導入内容:ホームページのリニューアル、ECサイト構築、商品撮影、ネット広告を実施。
事業費総額:約150万円
補助額:約100万円(インボイス特例活用)
効果:インターネット経由で全国から注文を獲得できるようになり、既存の地域販売だけに依存しない経営体制を構築できました。
事例③建築業(通常枠)

住宅リフォーム事業の受注拡大を目的として、
施工事例を活用した営業強化を実施しました。
導入内容:施工実績を掲載したホームページ制作、パンフレット作成、ドローン撮影による施工写真の掲載。
事業費総額:約120万円
補助額:約80万円
効果:ホームページからの問い合わせ件数が増加し、新規顧客の受注率向上につながりました。
事例④美容室(通常枠)

新たな顧客層を獲得するため、
予約システムの導入と店舗リニューアルを実施しました。
導入内容:ホームページ制作、ネット予約システム導入、店舗看板の設置、広告掲載を実施。
事業費総額:約140万円
補助額:約93万円
効果:24時間予約が可能となり、新規予約数が増加。若年層からの予約比率も大幅に向上しました。
事例⑤小売業(通常枠)

地域限定販売から全国販売へ事業を拡大するため、
販促活動を強化しました。
導入内容:商品パッケージのリニューアル、ECサイト制作、SNS広告配信、展示会への出展。
事業費総額:約200万円
補助額:約133万円
効果:展示会で新たな取引先を獲得し、ECサイト経由の売上も増加。販路が全国へ拡大しました。
加点項目(採択率アップのポイント)
小規模事業者持続化補助金では、補助金額を増やす「特例」とは別に、審査時に評価されやすくなる加点制度が設けられています。
加点を受けることで採択が保証されるわけではありませんが、同程度の事業計画であれば加点のある申請が有利になる可能性があります。
第20回公募では「重点政策加点」と「政策加点」からそれぞれ1種類ずつ、合計2種類まで選択可能です。
重点政策加点
| 加点項目 | 概要 |
| 赤字賃上げ加点 | 賃金引上げ特例を利用し、直近の課税所得が赤字の事業者 |
| 事業環境変化加点 | 物価高騰・原材料価格高騰・米国関税などの影響を受けている事業者 |
| 東日本大震災加点 | 対象地域または対象業種に該当する事業者 |
| くるみん・えるぼし加点 | 認定を受けている事業者 |
| 健康経営優良法人加点 | 健康経営優良法人の認定を受けている事業者 |
政策加点
| 加点項目 | 概要 |
| 地方創生型加点(地域資源型) | 地域資源を活用した商品・サービスを展開する事業 |
| 地方創生型加点(地域コミュニティ型) | 地域課題の解決や地域活性化につながる事業 |
| 経営力向上計画加点 | 経営力向上計画の認定を受けている事業者 |
| 事業承継加点 | 後継者への事業承継を進める事業者 |
| 過疎地域加点 | 過疎地域で事業を行う事業者 |
| 一般事業主行動計画策定加点 | 女性活躍推進等の行動計画を公表している事業者 |
| アトツギ甲子園加点 | アトツギ甲子園のファイナリスト等 |
| 小規模事業者卒業加点 | 従業員を増やし事業規模拡大を目指す事業者 |
| 賃金引上げ加点 | 従業員給与を一定割合以上引き上げる事業者 |
| 事業継続力強化計画策定加点 | 事業継続力強化計画または連携事業継続力強化計画の認定を受けている事業者 |
| 令和6年能登半島地震等に伴う加点 | 地震等により直接被害または売上減少の間接被害を受けた事業者 |
| 地域別最低賃金引上げ加点 | 直近の改定での地域別最低賃金額以下で雇用していた従業員がいる事業者 |
採択率を上げるポイント
補助金は要件を満たしていても、審査の結果によっては不採択となることがあります。
採択率を高めるためには、次のポイントを意識しましょう。
| ポイント | 内容 |
| 経営課題を明確にする | 現状の課題と改善方法を具体的に記載する |
| 数値目標を設定する | 売上や顧客数など具体的な目標を示す |
| 販路開拓との関連性を明確にする | 補助事業が売上向上につながる理由を書く |
| 市場分析を行う | 競合やターゲットを具体的に説明する |
| 見積書を適切に準備する | 積算根拠を明確にする |
| 加点制度を活用する | 該当する加点は積極的に利用する |
よくある不採択理由
採択されなかった事業者には、以下のような共通点が見られます。
| 不採択理由 | 内容 |
| 目的が曖昧 | 何のために補助金を使うのか分からない |
| 通常業務の経費になっている | 販路開拓ではなく日常業務の費用になっている |
| 売上向上との関係が薄い | 補助事業と成果が結び付いていない |
| 積算根拠が不十分 | 見積内容や費用の妥当性が説明できていない |
| 市場分析不足 | 競合やターゲット分析が不足している |
| 書類不備 | 必要書類の不足や記載漏れがある |
申請時の注意点
申請前には、次の点を必ず確認しましょう。
| 確認項目 | 内容 |
| 電子申請のみ | 郵送申請はできません。 |
| GビズIDプライム取得 | 申請前に取得しておく必要があります。 |
| 商工会・商工会議所への相談 | 事業支援計画書(様式4)の発行が必要です。 |
| 補助金は後払い | 事業完了・実績報告後に交付されます。 |
| 交付決定前の契約・購入は対象外 | 交付決定前に発注・契約・支払いした経費は原則補助対象外です。 |
| 実績報告が必要 | 事業終了後は実績報告書や証憑書類の提出が必要です。 |
まとめ
小規模事業者持続化補助金(第20回)は、小規模事業者が販路開拓や業務効率化を進めるための代表的な補助金制度です。
ホームページ制作やECサイト構築、広告宣伝、展示会出展、設備導入など幅広い経費が対象となるため、事業の成長を後押しする大きなチャンスとなります。
一方で、補助金は申請すれば必ず採択される制度ではありません。経営課題を整理し、売上向上につながる具体的な事業計画を作成するとともに、加点制度を積極的に活用することが採択への近道です。
制度内容を十分に確認し、商工会・商工会議所などの支援機関とも相談しながら準備を進めることで、採択の可能性を高められるでしょう。制度を上手に活用し、自社のさらなる成長と販路拡大につなげてください。
不明点や個別相談をご希望の方は、無料診断フォームまたは公式LINEにてお気軽にお問い合わせください。

