再生事業者とは?

再生事業者とは、経営が悪化しているものの、国が認めた専門機関の支援を受けながら、事業の立て直しに取り組んでいる中小企業や個人事業者のことです。
単に「赤字」「資金繰りが厳しい」という状態では再生事業者にはなりません。
第三者である公的・準公的な支援機関が関与し、正式な再生計画の策定が進んでいることが条件になります。
「もうダメかもしれない状態から、専門家と一緒に本気で立て直しを始めた会社」
のことです。
自己判断ではなく、国のルールに沿って「再生中である」と認められた状態を指します。
再生事業者と認められるための大前提
再生事業者として扱われるためには、必ず次の前提条件があります。
経営再生について、国が定めた支援機関から支援を受けていることです。
再生事業者になる定義
どんな状態だと再生事業者になるの?
再生事業者に該当するのは、次のどちらかの状態です。
再生計画を「策定中」の状態
専門機関の支援を受け、「これから会社をどう立て直すか」という再生計画を作っている途中の状態です。まだ計画が完成していなくても、正式な再生手続きが開始されていれば該当します。
再生計画が「策定済」の状態
すでに再生計画が完成しており、その計画が成立してから一定期間内である状態です。
この「一定期間」は、原則として3年以内とされています。
再生事業者になるために、まず何から始めるのか
再生事業者として認められるために、最初にやるべきことはとても明確です。
自分だけで何とかしようとしないことです。
よくある代表的な例
▶︎経営改善計画策定支援事業を活用している事業者
(いわゆる「405事業」「ポストコロナ版405事業」)
→ 専門家や金融機関と一緒に、経営を立て直す計画を作っている
▶︎中小企業再生支援協議会の支援を受けている事業者
→ 国の支援機関のサポートを受けながら、事業再建に取り組んでいる
▶︎認定支援機関(税理士・金融機関など)と再生計画を策定している事業者
→ 第三者の専門家が関与し、改善計画に基づいて経営を進めている
▶︎金融機関と返済条件の見直し(リスケ)を行い、再建計画のもとで事業を継続している事業者
→ 資金繰りを立て直しながら、事業の再成長を目指している
「倒産している」「廃業寸前」という意味ではありません。
ステップ①相談先を見つける
最初の一歩は、再生支援を行っている公的機関や専門家へ相談することです。
金融機関、商工会議所、認定支援機関などを通じて、中小企業再生支援協議会などにつながるケースが一般的です。
この時点では、「再生事業者になりたい」と言う必要はありません。
「経営が厳しく、立て直しを考えたい」という相談で問題ありません。
ステップ②再生計画づくりに入る
相談の結果、再生支援が必要と判断されると、専門家と一緒に再生計画の策定に入ります。
この段階に入った時点で、「再生計画策定中=再生事業者候補」という位置づけになります。
再生事業者として認められるタイミング
再生事業者として正式に扱われるのは、次のような節目を迎えた後です。
支援機関が再生支援の開始を正式に決定したとき。または、再生計画が成立したとき。
この状態を証明するために、「確認書」などの書類が発行されます。
準備しておくとスムーズなもの

再生事業者を目指す段階で、あらかじめ整理しておくと良いものがあります。
主な共通準備物(法人、個人)
| 書類名 | 概要 |
|---|---|
| 決算書または確定申告書 | 事業の収支状況を把握するため。 |
| 借入金一覧 | どこから、いくら借りているかを整理するため。 |
| 事業内容の説明 | 何をして、どうやって収益を得ているか。 |
| 資金繰りの状況 | いつ資金が足りなくなるかを把握するため。 |
※この時点では「完璧な書類」は不要で、
現状を正直に説明できることが重要です。
▶︎法人用 準備物一覧
| 書類名 | 概要 |
|---|---|
| 法人決算書(複数期) | 会社としての経営成績・財務状況 |
| 履歴事項全部証明書 | 法人の正式な登録情報 |
| 借入金一覧(法人名義) | 会社が負っている債務の整理 |
| 役員構成・代表者情報 | 経営責任の所在を明確にするため |
| 事業別の収支状況 | どの事業が赤字・黒字かを把握 |
法人の場合、「会社として再生できるか」が判断の軸になります。
▶︎個人用 準備物一覧
| 書類名 | 概要 |
|---|---|
| 確定申告書 | 事業収支を示す最重 |
| 事業用の収支内訳 | 売上・経費の具体的な中身 |
| 借入金一覧(事業用・個人用) | 事業と生活の借入を整理 |
| 生活費の状況 | 事業再生後の生活維持を確認するため |
| 事業の将来見込み | 続ける価値がある事業かの判断材料 |
個人の場合、「この事業を続ける意味があるか」も見られます。
再生事業者の取り扱いについて(補助金制度上)
再生事業者とは、特別にどこかへ申請や登録を行う必要があるものではありません。
あくまで、補助金などの公的支援制度を利用する際に、加点対象として扱われる区分です。
そのため、対象となる事業者の場合は、補助金申請時に「再生事業者に該当するかどうか」および「必要な資料が求められる場合がある」という点をあらかじめ認識しておけば問題ありません。
再生事業者に該当するかどうかは、
・経営改善計画や再生計画の有無
・金融機関や公的支援機関、認定支援機関の関与状況
などをもとに、補助金ごとの公募要領に沿って判断されます。
再生事業者になると何が有利になるのか
メリット
再生事業者になる最大のメリットは、「経営が厳しい状態でも、制度上きちんと土俵に立てる」ことです。
通常、赤字や債務超過の状態では、公的支援や金融機関の評価で不利になりがちです。
しかし再生事業者として認められている場合、「問題のある企業」ではなく、
「国のルールに沿って再生に取り組んでいる企業」として扱われます。
その結果、事業の継続性や改善意欲を前提に話を進めてもらえるようになります。
補助金とどう関係するのか
再生事業者は、本来であれば対象外になりやすい補助金にも、申請できる可能性が残されているという点で、補助金と深く関係しています。
補助金制度では、「経営が著しく不安定な事業者」は原則不利になります。
しかし再生事業者の場合は、すでに再生計画があり、第三者の支援を受けているため、事業改善の前提がある状態として判断されます。
そのため、ものづくり補助金をはじめとした一部の補助金では、再生事業者であることを前提に申請が認められています。
再生事業者になること自体が目的ではありません。
本当の目的は、事業を立て直し、継続できる状態に戻すことです。
再生事業者とは、「再スタートの土台に立った状態」です。
正しい順序で相談し、支援を受け、一つずつ進めていくことで、確実に道は開けます。
不明点や個別相談をご希望の方は、無料診断フォームまたは公式LINEにてお気軽にお問い合わせください。

