補助金や助成金で言われる『賃上げ』とは

賃上げとは、会社として従業員に支払う給料の総額を増やすことを指します。
単に一部の人の給料を少し上げる、という話ではありません。
ここで重要視されるのは、会社全体として「どれだけ給料を増やしたか」です。
賃上げで見られる評価のポイント
賃上げの評価では、主に次の点が見られます。
・会社全体の給与支給総額が増えているか
・一時的ではなく、継続的な賃上げになっているか
・従業員だけでなく、役員報酬も含めて考えているか
賃上げでよくある誤解
「1人だけ給料を上げた」
「ボーナスを一度だけ多く出した」
これは賃上げとしては弱い扱いになります。
評価されやすいのは、全体的・計画的・継続的な引き上げです。
地域別賃上げについて
地域別賃上げとは、都道府県ごとに定められている最低賃金との関係で見られる考え方です。
ポイントは、「最低賃金ギリギリで働いている人が、会社にどれくらいいるか」という点です。
地域別賃上げで重視されること
次のような会社は、地域別賃上げの観点で評価されやすくなります。
・最低賃金ギリギリの従業員が多い
・最低賃金が上がる影響を強く受けている
・人件費の上昇を受け止めながら事業を続けている
つまり、
「最低賃金の引き上げを真正面から受けている会社」
であることがポイントです。
イメージしやすい例
従業員が10人いる事業所で、そのうち3人以上が、
地域別最低賃金とほぼ同じ時給で働いている状態が、
一定期間続いているケースを想定します。
このように、最低賃金の引き上げによる影響を、
実際に受けている従業員の割合が高い場合、
地域別賃上げの考え方に当てはまりやすくなります。
事業所内最低賃金引き上げとは
事業所内最低賃金とは、その会社・店舗・工場の中でいちばん低い時給のことです。国が決めている最低賃金とは別に、「うちの会社では、最低でもこの時給にする」と決めている水準になります。
引き上げで評価される点
評価されるのは、短期間でどれだけ大きく底上げしたかです。
・以前はいくらだったか
・現在はいくらになっているか
・どれだけ上げたか
この「差」が重視されます。
イメージしやすい例
・以前の事業所内最低賃金:時給1,000円
・現在の事業所内最低賃金:時給1,070円
このように全国的な最低賃金の上昇目安を超える引き上げをしていると、評価されやすくなります。
事業所内の最低賃金を引き上げることで申請できる助成金もありますので、補助金や助成金の活用を見据えながら、賃金の考え方を整理しておくことが大切です。
3つの違いまとめ
賃上げ
会社全体として「給料の総額」をどれだけ増やしたか
地域別賃上げ
最低賃金に近い従業員を、どれだけ抱えているか
事務所内最低賃金引き上げ
社内で決めている最低時給を、どれだけ大きく上げたか
何から始めればいいか

いきなり難しい制度を理解しなくても、まずは次の3つを整理するだけで十分です。
- 今、いちばん低い時給はいくらか
- 最低賃金ギリギリの従業員は何人いるか
- 去年と比べて、給料の総額は増えているか
この3点が見えるだけで、
「どの考え方が自社に合うか」が自然と分かってきます。
重要なポイント

賃上げ、地域別賃上げ、事業所内最低賃金引き上げは、専用の申請制度があるわけではなく、自社の取組状況を書類で示すことが申請になります。
まず現在の賃金状況を整理し、給与総額、最低賃金に近い従業員の人数、事業所内で最も低い賃金水準を確認します。
次に自社が「賃上げ」「地域別賃上げ」「事業所内最低賃金引き上げ」
のどれに該当するかを判断し、その内容を数字で説明できるようにまとめます。
申請時は、賃金台帳や雇用状況が分かる資料をもとに、いつから、いくらに引き上げたのか、または今後どのように引き上げる計画なのかを記載します。
単純に賃上げを行えば必ず使える専用の制度がある、というわけではありません。
ただし、賃上げの状況によっては、補助金の加点対象になったり、助成金の申請条件を満たすケースが多くあります。
そのため、
・自社の給与総額
・最低賃金に近い水準で働いている従業員の人数
・事業所内で最も低い賃金水準
といった点をあらかじめ整理・把握しておくことが重要です。
こうした情報を整理しておくことで、補助金や助成金の申請対象となった際にも、スムーズに対応することができます。
また、最低賃金は毎年10月頃に全国一斉で引き上げが行われます。
これを下回っている場合は、労働基準法違反と判断される可能性もあるため注意が必要です。
日頃から労働条件を定期的に見直し、
将来の支援制度の活用も見据えながら、計画的に対応していくことが大切です。
賃上げ・地域別賃上げ・事業所内最低賃金引き上げは、別々の制度のようで見ている方向は同じです。
それは、「人を大切にしながら、事業を続けられているか」という点です。
無理に全部やる必要はありません。
自社の実態に一番近い考え方から整えていく
それがいちばん現実的で、評価にもつながります。
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