省エネルギー投資促進支援事業費補助金とは?

この補助金は、国内で事業を営む法人および個人事業主が省エネルギー対策を行う際に、その設備投資を支援するものです。
省エネ設備の導入にかかるコストの一部を補助し、エネルギー価格の高騰対策やコスト削減、生産性の向上などを目的としています。

エアコンや冷蔵設備などの省エネ機器を新しく導入・交換するときに、国が費用の一部を出してくれる制度です。
各種条件


省エネルギー設備を導入するための補助金には、設備の種類や導入効果などに応じた条件が設けられています。
対象業種
・国内で事業を行う法人および個人事業主
・業種の制限はありません(すべての業種が対象)
・大企業の場合は要件あり
申請条件
以下の2つの事業区分から選択し、導入する設備が登録済みの「指定設備」である必要があります。
(Ⅲ) 設備単位型
登録された省エネ効果の高い設備(指定設備)の導入
(Ⅳ) エネルギー需要最適化型
EMS(エネルギーマネジメントシステム)等を活用した、エネルギーの需要管理の最適化
補助金額
(Ⅲ) 設備単位型
- 上限:1億円/事業全体
- 下限:30万円/事業全体
(Ⅳ) エネルギー需要最適化型
- 上限:1億円/事業全体
- 下限:30万円/事業全体
補助率
(Ⅲ) 設備単位型
補助対象経費の1/3以内
(Ⅳ) エネルギー需要最適化型
設備費:1/3以内
設計費・工事費:1/2以内
対象となる経費
事業区分 | 対象経費 |
設備単位型 | 設備費(指定された省エネ設備) |
最適化型 | 設備費、設計費、工事費(EMS導入含む) |
申請開始・申請期限
内容 | 日程 |
公募期間 | 2025年8月13日(水)~9月24日(水) |
交付決定 | 2025年11月中旬(予定) |
事業実施期間 | 交付決定日 ~ 2026年1月31日(土) |
実績報告期限(複数年度型) | ~2027年1月31日(土) |

なにをいつまでに用意すればいいか分からない方の為、この後に必要な書類の情報を載せていますので、ぜひご覧ください。
無料診断フォームからのお問い合わせも、受け付けております。
必要書類(法人、個人、その他)
各種必要な書類
▶︎法人用必要書類一覧
書類名 | 概要 |
登記簿謄本 | 会社の正式な登録情報を示す書類 |
納税証明書 | 国税または地方税の納付状況を証明する書類 |
補助事業計画書 | 導入する設備やその効果について記載した書類 |
見積書 | 導入予定の設備に関する費用の明細 |
指定設備証明書 | 対象設備が「指定設備」であることの証明書 |
▶︎個人用必要書類一覧
書類名 | 概要 |
確定申告書の控え | 個人事業主としての収入を証明する書類 |
補助事業計画書 | 設備導入の内容と目的などを記載した計画書 |
見積書 | 導入費用の詳細 |
指定設備証明書 | 対象設備が「指定設備」であることの証明書 |
活用事例

Ⅲ事例①食品製造業

老朽化した冷凍設備を高効率モデルに更新
導入内容:インバーター制御付き冷凍機
事業費総額:1,200万円
補助額:400万円
効果:年間で約20%の電力削減を実現
Ⅲ事例②飲食業

厨房内空調の省エネ化
導入内容:高効率エアコンと換気設備の導入
事業費総額:500万円
補助額:150万円
効果:快適性向上と同時に月間電気料金が約15%減少
Ⅲ事例③金属加工業

高効率コンプレッサーへの更新
導入内容:省エネ型エアコンプレッサー導入
事業費総額:800万円
補助額:266万円
効果:年間で約1.5万kWhの削減、CO₂排出量も削減
Ⅲ事例④宿泊業

客室の空調と給湯システムの更新
導入内容:ヒートポンプ給湯器+高効率空調
事業費総額:1,000万円
補助額:333万円
効果:利用者満足度の向上と省エネ達成(約25%削減)
Ⅲ事例⑤スーパーマーケット

照明と冷蔵設備の全更新
導入内容:LED照明+インバーター冷蔵ケース
事業費総額:1,500万円
補助額:500万円
効果:店内全体の電力消費が30%以上削減
Ⅳ事例①工場全体の空調・生産設備を最適化
・導入内容
工場の主要設備(ボイラ・空調・コンプレッサー等)の更新に加えて、エネマネシステムを導入。
設備ごとの稼働状況を一元管理し、季節・時間帯ごとに最適な運転を実現。
結果として、設備更新単独以上のエネルギー削減効果を獲得。
・想定スコープ
Ⅲ型:主要設備の更新(ボイラ/チラー・空調機/コンプレッサ等)
Ⅳ型:EMS(計測・見える化・制御)+必要センサ・配線・実装・設計費
※Ⅳは設計費・設備費・工事費が補助対象。Ⅲは基本「設備費」のみが補助対象です。
※Ⅳは単独申請不可。Ⅲと組み合わせる前提です。
・概算投資レンジ(税別)
規模 | Ⅲ型:設備更新 | Ⅳ型:EMS一式 | 合計投資感 |
小〜中規模(5,000㎡級) | 2,000〜5,000万円 | 500〜2,000万円 | 2,500〜7,000万円 |
中規模(1〜2万㎡級) | 6,000〜1.2億円 | 2,000〜6,000万円 | 8,000万〜1.8億円 |
大規模(2万㎡超) | 1.5〜3億円 | 6,000万〜2億円 | 2.1〜5億円 |
・補助後の自己負担イメージ
補助率:Ⅲ=中小1/3・大企業1/3、Ⅳ=中小1/2・大企業1/3。上限は各区分ごとに1億円(補助額)/下限30万円。組み合わせ時は両区分の上限を合算可。
(例:中小企業想定・中央値で試算)
小〜中規模:Ⅲ=3,500万、Ⅳ=1,200万 → 交付見込=Ⅲ約1,167万+Ⅳ約600万=約1,767万 → 自己負担 約2,930万
中規模:Ⅲ=9,000万、Ⅳ=4,000万 → 交付見込=Ⅲ3,000万+Ⅳ2,000万=5,000万 → 自己負担 約8,000万
大規模:Ⅲ=2億2,500万、Ⅳ=1億2,000万 → 交付見込=Ⅲ約7,500万+Ⅳ約6,000万=1億3,500万(上限未到達想定)→ 自己負担 約2億1,000万

上限1億円/区分は「補助額」の上限です。案件規模が特大だと上限に当たる可能性があります。
Ⅳ事例②複数拠点でのエネルギー最適化
・導入内容
同一企業の複数工場でエネマネを活用し、エネルギー使用データを一括収集。
各拠点のベンチマーク比較や、優良事例の横展開を実施。
エネマネによる「見える化」と制御最適化で、グループ全体の省エネを推進。
・想定スコープ
各拠点:主要設備(ボイラ・チラー・コンプレッサ等)の計測点・制御端末を設置。
中央側:クラウドEMSやデータウェア基盤を導入し、拠点別に「見える化」+「横断分析」。
ベンチマーク機能・需要予測・制御ロジックの共通化。
通信環境・VPNや専用線費用も発生。
・概算投資レンジ(税別)
規模 | 拠点数 | 各拠点EMS導入費 | 中央側基盤費 | 合計投資感 |
小規模(2〜3拠点) | 2〜3拠点 | 1,000〜3,000万円/拠点 | 1,000〜3,000万円 | 3,000〜1億円 |
中規模(5〜7拠点) | 5〜7拠点 | 1,500〜4,000万円/拠点 | 3,000〜7,000万円 | 1.2〜3.0億円 |
大規模(10拠点超) | 10拠点以上 | 2,000〜5,000万円/拠点 | 5,000万〜1.5億円 | 3.0〜7.0億円 |
・補助適用後の自己負担イメージ
Ⅳ型は中小:1/2、大企業:1/3が補助対象。設計費・設備費・工事費すべて対象。
拠点ごとにⅣ型として申請できるため、拠点数分の上限(補助額1億円/区分)を積み上げることが可能。
例)中規模企業・5拠点で各拠点3,000万円のEMS → 合計1.5億円 → 補助率1/2 → 補助7,500万 → 自己負担 約7,500万
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は、光熱費の削減だけでなく、事業の生産性や環境配慮の面でも大きなメリットをもたらします。導入を迷っている方も、まずは自身の業種や設備が対象となるか確認し、活用を検討してみてください。省エネ対策を通じて、より持続可能な事業運営を実現しましょう。
申請には細かな条件や書類の準備が必要となりますので、内容をよくご確認のうえ、準備を進めていただくことをおすすめします。
不明点や個別相談をご希望の方は、無料診断フォームまたは公式LINEにてお気軽にお問い合わせください。