業務改善助成金

助成金

業務改善助成金とは?

中小企業・小規模事業者が、最低賃金の引き上げに取り組むための「設備投資」や「業務改善」に必要な費用の一部を、国が補助する制度です。
※最低賃金の引き上げを条件とし、生産性向上に資する取り組みに対する支援です。

回答側①
回答側①

お店や会社で時給を少し上げる代わりに、機械やシステムの購入費などを一部補助してもらえる制度です。

各種条件

パートやアルバイトを含む従業員の給料(時給)を、一定額以上アップすることが条件です。
それに加えて、作業効率を上げるための機械やシステムなどの導入にかかる費用が対象になります。

対象業種

製造業、飲食業、小売業、サービス業などほとんどの中小企業・小規模事業者
※風俗営業や政治団体、宗教法人など一部対象外もあり

申請条件

以下のすべてを満たす必要があります。

・中小企業・小規模事業者であること
・事業所内最低賃金を、申請時より30円以上引き上げること
・生産性向上に資する取り組みを行うこと
・引き上げた賃金水準を一定期間維持できる見込みがあること

回答側①
回答側①

「事業所内最低賃金」とは、その事業所で一番低い時給のことです。

補助金額

以下の表に従い、賃金引上げ額と人数に応じて補助上限額が異なります。

対象引上げ額:30円以上
引上げ人数:1人〜100人以上

※「10人以上」の区分は、特例事業者で10人以上の労働者を引き上げる場合に適用されます。

助成上限額(令和7年度)

▼30円コース(30円以上)

引き上げる労働者数右記以外の事業者事業場規模30人未満の事業者
1人30万円60万円
2~3人50万円90万円
4~6人70万円100万円
7人以上100万円120万円
10人以上※120万円130万円

▼45円コース(45円以上)

引き上げる労働者数右記以外の事業者事業場規模30人未満の事業者
1人45万円80万円
2~3人70万円110万円
4~6人100万円140万円
7人以上150万円160万円
10人以上※180万円180万円

▼60円コース(60円以上)

引き上げる労働者数右記以外の事業者事業場規模30人未満の事業者
1人60万円110万円
2~3人90万円160万円
4~6人150万円190万円
7人以上230万円230万円
10人以上※300万円300万円

▼90円コース(90円以上)

引き上げる労働者数右記以外の事業者事業場規模30人未満の事業者
1人90万円170万円
2~3人150万円240万円
4~6人270万円290万円
7人以上450万円450万円
10人以上※600万円600万円

補助率

通常事業者
事業場内最低賃金が 1,000円未満 → 補助率 4/5
事業場内最低賃金が 1,000円以上 → 補助率 3/4

特例事業者
①賃金要件 → 補助率が 4/5に優遇される。
(通常は「1,000円以上」だと3/4に下がるが、賃金要件に該当すれば4/5)
申請事業場の事業場内最低賃金が1,000円未満であること。
※事業場内最低賃金とは、その事業場で最も低い時間給(雇用から6か月以上経過した労働者が対象)

例:地域別最低賃金が1,002円でも、自社の最も低い時給が980円なら「賃金要件」に該当します。

②物価高騰等要件
原材料費・エネルギー価格などの外的要因によって、申請前3か月のうち任意の1か月の利益率が、前年同月比で3%ポイント以上低下していること。

例:前年利益率 8% → 今年 4% → △4%ポイント → 該当

上記要件を満たすことで、IT化・車両導入といった幅広い投資が可能になり、事業改善の自由度が拡大。
通常は対象外の経費も助成対象になるのが「物価高騰等要件」の特徴です。
物価高騰等要件での追加対象:
パソコン、スマホ、タブレットなどの端末(新規導入)
一部の自動車(定員7人以上、または車両価格200万円以下など)

対象となる経費

・設備投資(POSレジ、券売機、厨房機器など)
・システム導入(顧客管理システム、予約管理アプリなど)
・業務効率化に資する機器(自動釣銭機など)
・コンサルティング費用(業務フロー改善など)

※事業に直接関連するものであり、かつ賃上げと関連する改善であることが必要になります。
対象となるか知りたい方は、無料診断フォームからお気軽にお問い合わせください。

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申請開始、申請期限

9月18日追記

■申請期間(交付申請受付期間)
第1期:令和7年(2025年)4月14日〜6月13日
※この期間内に、交付申請書と事業計画書などを管轄の労働局に提出します。

第2期:令和7年(2025年)6月14日〜、地域別最低賃金改定日前日まで(上記画像)
※地域別最低賃金の改定時期は例年10月前後。都道府県によって異なるため、各地域で要確認。

第3期以降がある場合は、後日厚労省HP等で別途公表されます。

■賃金引き上げ実施期間
第1期:令和7年(2025年)5月1日〜6月30日
この期間内に、事業場内最低賃金を30円以上引き上げる必要があります。

第2期:令和7年(2025年)7月1日〜、地域別最低賃金改定日前日まで(上記画像)
(例)地域別最低賃金が10月1日に改定される場合 ⇒ 9月30日までに賃金を引き上げること。

法発効当日に賃金を引き上げた場合は「対象外」となります。

■事業完了期限
令和8年(2026年)1月31日まで

やむを得ない理由がある場合は、理由書を提出すれば最大で令和8年3月31日まで延長が可能です。

■注意点(賃金引き上げに関する期限)
・地域別最低賃金の発効日前日までに、引き上げを完了しておく必要があります。
複数回に分けた引き上げは不可です。1回で所定の額(例:30円以上)を引き上げる必要があります。
・就業規則等にも、引き上げ後の事業場内最低賃金を明記する必要があります。

必要書類(法人、個人、その他条件)

各種必要な書類

  • 法人・個人で分けず、基本的に必要書類は同じ
  • ただし「決算書/月次損益計算書」は特例事業者(物価高騰等要件)の該当確認用
  • 就業規則は、必ず「最低賃金引上げを反映」した内容に改定して提出が必要

必要書類(法人・個人 共通)

書類名概要
交付申請書(様式1)厚生労働省が定めた指定様式に記入。賃金引上げ計画と設備投資・業務改善の内容を明記。
就業規則助成金申請のため、対象労働者に適用される最低賃金引上げの条文を記載・改定する必要あり。
賃金台帳の写し(申請前6か月分)対象労働者の直近6か月分の賃金記録。最低賃金引上げ前の状況確認に用いる。
助成対象経費に関する見積書本見積書+相見積書を2通以上提出。導入予定の設備やシステムの仕様・費用が分かること。

特例事業者の要件を満たす場合に追加で必要な書類

書類名概要
決算書法人の場合は直近期の決算書。利益率の変動確認に用いる。
月次損益計算書個人事業主や法人いずれも可。申請前3か月のうち任意の1か月と前年同月の利益率を比較できることが必要。
確認用資料物価高騰等要件を満たすことが分かるように、売上・原価・利益率の推移が確認できる書類。

活用事例

事例①飲食店

注文・会計業務の効率化と回転率向上を目的に、券売機とPOSレジを導入

導入内容:フルオート券売機、最新POSレジシステム一式
事業費総額:約120万円
補助額:90万円
効果:ピークタイムの混雑が緩和し、スタッフ2名の業務負担が軽減。アルバイト3名の時給を40円引き上げ。

事例②美容室

業務時間の短縮と顧客満足度の向上を目的に、予約・会計業務をIT化

導入内容:クラウド予約管理アプリ、自動精算機
事業費総額:約80万円
補助額:60万円
効果:スタッフの受付対応時間が日あたり30分削減。2名の時給を30円アップ。リピート率も向上。

事例③製造業

重労働を伴う作業を自動化し、生産性向上と労働環境の改善を両立

導入内容:自動加工機、高機能作業テーブル
事業費総額:約500万円
補助額:375万円
効果:作業効率が35%向上し、工程のバラつきも減少。10名の時給を120円引き上げ。

事例④クリーニング業

高齢スタッフの負担軽減と作業の標準化を目的に、昇降設備とソフトを導入

導入内容:自動昇降作業台、業務支援ソフト
事業費総額:約200万円
補助額:150万円
効果:作業姿勢が改善され、従業員の勤務継続意欲が向上。アルバイト4名の時給を60円アップ。

事例⑤小売業

在庫管理とレジ業務の効率化を通じて、待ち時間削減とスタッフ負担の軽減を実現

導入内容:POSレジ、棚卸管理システム、セルフレジ機器
事業費総額:約280万円
補助額:210万円
効果:レジ待ち時間を2分短縮、棚卸作業も大幅に短縮。5名の時給を90円引き上げ。

業務改善助成金について、申請条件や必要書類、具体的な活用事例までご紹介しました。
制度をうまく活用すれば、コストを抑えて業務効率化を実現することができます。

申請には細かな条件や書類の準備が必要となりますので、内容をよくご確認のうえ、準備を進めていただくことをおすすめします。
不明点や個別相談をご希望の方は、無料診断フォームまたは公式LINEにてお気軽にお問い合わせください。

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