人材開発支援助成金(リスキリングコース)とは?

従業員が新たな知識やスキルを身につけるための「リスキリング(再教育)」を支援するため、企業が研修を実施した際にかかる費用の一部を国が補助する制度です。
各種条件


どんな企業が対象になるの?

従業員に対して職務の転換やスキル向上を目的とした研修(OFF-JT)を行う企業や、研修の実施にあたり、雇用契約の継続を前提とした再配置や職務変更などを予定していること。
対象業種
・業種に制限はなく、全業種対象です
申請条件
・事前に計画書の提出と認定が必要
・労働保険に加入していること
・対象となる訓練が一定の時間以上あること(例:10時間以上など)
・研修の実施前に「職業能力開発計画」などの必要書類を提出

こちらの助成金の対象となるか知りたい方は、無料診断フォームからお気軽にお問い合わせください。
補助金額
■中小企業
研修時間区分 | 1人あたり支給額 |
---|---|
10時間以上 | 300,000円 |
100時間以上 | 200,000円 |
100時間以上(別区分) | 400,000円 |
200時間以上 | 250,000円 |
200時間以上(別区分) | 500,000円 |
■大企業
研修時間区分 | 1人あたり支給額 |
---|---|
200時間以上(別区分) | 300,000円 |

上記の「別区分」は、訓練内容や実施形態(例:有給訓練かどうか、専門分野の違いなど)による区分分けを指します。
支給額は 1人あたりの上限額 であり、実際には訓練費用や賃金額に応じて計算されます。
補助率
・中小企業:研修費用の最大75%
・大企業:最大60%
対象となる経費
・外部講師への謝金
・研修会場の借用料
・教材費
・研修受講中の賃金相当分(条件あり)

法人と個人では、必要書類が変わってきます。
申請開始・申請期限
■計画届の提出(申請開始)
訓練の 開始予定日の 6 か月前から 1 か月前までの間に、管轄の労働局へ「職業訓練実施計画届」を提出する必要があります。
- 例:訓練開始が 2026年1月であれば、提出期間は
- 2025年7月 から
- 2025年12月 まで
■支給申請(申請期限)
訓練が終了したら、終了日の翌日から 2 か月以内に、助成金の支給申請を行う必要があります。(精神開発研究所)
- 例:訓練終了が 2026年1月31日の場合
- 支給申請の期限は 2026年3月31日まで
■決定・注意点
- 計画届を提出しただけでは助成金が確定しません。
支給申請時に審査が行われ、要件を満たす場合に支給決定となります。 - 提出期限は厳しく管理されるため、提出期限を守ることが極めて重要です。
一目でわかる申請スケジュール
ステップ | タイミング(例:訓練開始が2026年1月の場合) |
---|---|
計画届の提出 | 2025年7月 ~ 2025年12月 |
訓練実施 | 2026年1月 |
支給申請 | 終了日の翌日から 2 か月以内 → ~ 2026年3月31日 |
必要書類(法人、個人、その他条件)

各種必要な書類
➤法人用 必要書類一覧
書類名 | 概要 |
---|---|
職業能力開発計画 | 研修の目的や内容を記載した書類 |
訓練実施計画書 | 実施する研修の具体的なスケジュール |
受講者の雇用契約書または在籍証明書 | 労働者が在籍していることの証明 |
経費見積書 | 支出予定の研修費用明細 |
雇用保険適用事業所証明書 | 労働保険に加入していることの証明 |
➤個人事業主用 必要書類一覧
※原則として企業が申請する制度のため、個人事業主で従業員がいる場合を想定。
書類名 | 概要 |
---|---|
職業能力開発計画 | 上記と同様 |
訓練実施計画書 | 上記と同様 |
労働者との雇用契約書 | 上記と同様 |
経費見積書 | 上記と同様 |
労働保険関係成立届の控え | 労働保険の加入証明書類 |
活用事例

事例① 製造業

工場の設備自動化に伴うプログラミング研修を実施
導入内容:PLC制御の基礎講習・安全管理教育
事業費総額:120万円
補助額:90万円
効果:自動化設備の操作ミスが減り、生産効率が15%向
事例② IT業

顧客向けDX支援のためのクラウド技術習得
導入内容:AWS・Azure基礎から実践までの講習
事業費総額:160万円
補助額:120万円
効果:新たにクラウド事業を展開し、新規売上が20%増加
事例③ 小売業

業務効率化のためのExcelマクロ研修
導入内容:VBAを使った日報・在庫管理自動化の講座
事業費総額:80万円
補助額:60万円
効果:作業時間が月20時間削減され、残業時間も減少
事例④ 医療業界

電子カルテ導入に向けた操作教育
導入内容:システムベンダーによる操作研修とトレーニング
事業費総額:140万円
補助額:105万円
効果:電子化による診療記録の正確性が向上し、患者対応時間短縮
事例⑤ 建設業

建築3Dソフト(BIM)の導入研修
導入内容:Revitを使った設計業務のデジタル化講習
事業費総額:200万円
補助額:150万円
効果:設計・修正作業の効率化で工期短縮を実現
人材開発支援助成金(リスキリングコース)は、企業の未来を見据えた「人材への投資」を国が後押しする貴重な制度です。変化の激しい時代において、従業員のスキルアップは企業の成長と競争力の源となります。今こそ、この助成金を活用し、次の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
申請には細かな条件や書類の準備が必要となりますので、内容をよくご確認のうえ、準備を進めていただくことをおすすめします。
不明点や個別相談をご希望の方は、無料診断フォームまたは公式LINEにてお気軽にお問い合わせください。
コメント